• ホーム
  • HIV感染後の日常生活で心がけること

HIV感染後の日常生活で心がけること

HIVの感染が判明しても、それまでの生活が送れなくなるということはありません。基本的には感染前と同じような日常生活が可能ですが、免疫力が低下しているため注意すべき項目はいくつか存在します。

就業や学業に関しては、感染前と同じ生活を送ることが可能で、実際に多くの感染者は就業や学業を続けながら治療を続けています。しかし、治療に使用する抗HIV薬の中には服用すると眠くなるものも存在しているため、車の運転などの危険を伴う作業が必要となる場合は、医師に相談して薬の種類を変えるなどの対策が必要です。また、HIV検査は本人の同意なしでは行えないため、健康診断などで勝手に調べられるといった心配はありません。運動に関しても特に制限する必要はありません。むしろ、体力維持につながると共に気分転換になるため、適度な運動は推奨されています。ただし、運動中に出血した場合は自分で処置するか、周囲の人にお願いする場合はビニール手袋などを使用して直接血液に触れないようにするといった工夫が必要です。

食事に関しては免疫力が低下しているため、少々気を使う必要があります。食中毒や下痢を起こしやすいため、賞味期限が切れた食材を使用しないことや、生ものは加熱調理をしっかりするといった対策が求められます。
食事前の手洗いや、調理器具を清潔に保つことで細菌の繁殖を防ぐといった対策も重要です。ただし、市販の内服薬でも問題となるグレープフルーツは、抗HIV薬でも効能を減少させるため注意が必要です。また、セイヨウオトギリソウという植物の成分もグレープフルーツ同様に、抗HIV薬を服用している場合は摂取を控えた方が良いでしょう。市販の内服薬やサプリメントは問題ないものもありますが、抗HIV薬との飲み合わせが悪いものも存在するため、自己判断での服用は避けて担当医師や薬剤師の方に相談してから服用した方が賢明です。

アルコールには抗HIV薬の効能を上下させるような効果はないため、リフレッシュ程度の飲酒であれば問題ありません。ただし、過度な飲酒は薬の飲み忘れや、安易な性行為を招く恐れがあるため注意が必要です。

また、タバコに関しては、HIV感染者は肺がんになる可能性が高いと言われているため、喫煙者は禁煙した方が賢明でしょう。喫煙は肺がん以外にも狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や脳卒中、肺気腫のリスクを高めます。
喫煙歴が長く自身の力では禁煙できない場合は、禁煙外来を受診することで専門家のサポートを受けることも可能です。禁煙外来は条件を満たせば健康保険の適用を受けられることもあります。

また、ペットは注意しながらであれば飼うこと自体制限はありません。ペットや飼育スペースを清潔に保つと共に、フンの処理は家族に頼むかゴム手袋とマスクを使用して直接触れないようにするといった工夫することで十分に飼育は可能です。しかし、ペットの種類によっては病原菌を保有しているものがあるため飼育には注意が必要です。具体的には、猫のトキソプラズマ、鳩のクリプトコッカス、爬虫類のサルモネラなどが挙げられます。

HIV感染者の性行為は、正しい予防を行えば特に制限する必要はありません。コンドームを正しく使って、精液や膣分泌液、血液がパートナーの傷口や粘膜に触れないようにすることで感染を防ぐことが可能です。

このように、HIVに感染したとしても通常の日常生活は可能です。HIV治療は一生継続していかなければならないため、過度に神経質になりすぎると気持ちが落ち込んでしまいます。もし、不安や悩みを抱えている場合は、担当医師やカウンセラーに相談することで気持ちの整理をすることも重要です。