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抗HIV薬で治療することができる?正しく服用しましょう!

現在の医療技術では、感染したHIVを完全に排除する方法は確立されていません。したがって、HIV治療の目的は抗HIV薬を服用することで、ウイルスの増殖を抑制しながらエイズの発症を防ぐことです。以前の抗HIV薬の副作用が強すぎたため、仮に早期発見ができたとしても、すぐに治療を開始できない感染者も多く存在しました。しかし、様々な研究の結果、飲みやすく副作用も少ないものが開発されたことで、現在は感染初期から治療開始が可能となっています。さらに、早期での治療を開始することで、感染拡大の抑制や重篤な合併症を発症しにくくなることが明らかとなったため、現在の方針ではHIV感染が判明した時点での治療開始が推奨されています。

HIV治療で使用される抗HIV薬は、核酸系逆転写酵素阻害剤・核酸系逆転写酵素阻害剤・プロテアーゼ阻害剤・インテグラーゼ阻害剤・侵入阻害剤の5つに分けられます。しかし、1種類のみの服用ではHIVが薬への耐性をすぐに持ってしまうため、患者の症状や体質に合わせて3~4種類を組み合わせて使用するのが一般的です。近年は、複数の成分を1つの錠剤にまとめることで、1日1回1錠の服用でウイルスの増殖を防ぐと共に、他人への感染も防ぐことが可能です。ただし、抗HIV薬は血液内に含まれる薬の成分を一定範囲内に保つことで効果を発揮するため、飲み忘れや分量を間違えて服用すると、ウイルスの増殖を抑える効果が期待できないばかりか、HIVが薬に対して耐性を持つ可能性が増大します。HIVが耐性を持つということは、使用していた薬は使用不可能ということを意味しているため、今後使用できる薬の選択肢を狭めることにつながります。したがって、ウイルスの増殖を抑えながらエイズの発症を防ぐには、抗HIV薬を毎日正確に飲み続けることが重要です。

また、以前と比べて副作用は少なくなったものの、複数の種類を組み合わせて服用するという特性上、多くの場合何らかの副作用が生じます。発疹や下痢、吐き気などの軽度な副作用であれば、服用を続けることで徐々に症状が治まることもありますが、場合によっては重篤な症状へと変わる恐れがあるため、注意すべき症状については担当医師から説明を受けておくことが重要です。毎日飲み続ける必要のある抗HIV薬を服用する場合は、副作用と上手く付き合っていくことが求められます。副作用の症状に少しでも不安を感じたら、担当医師に相談して服用する薬の種類を変更するということも可能です。

また、抗HIV薬の中には他の医薬品との飲み合わせが問題となるケースがあります。他の薬と一緒に飲むことで互いの効果が低下したり、逆に高くなりすぎることがあるため、きちんと抗HIV薬を服用していても効果が薄れてHIVが耐性を持つ可能性があります。そのため、HIV治療を受けている病院以外で処方された医薬品や、薬局やドラッグストアで販売されている医薬品やサプリメント、ビタミン剤などを使用したいという場合は、担当医師や薬剤師の方に飲み合わせについての確認をしてから使用するのが基本です。

また、HIV治療は一生続いていくものなので金銭的な負担も大きくなりますが、HIV感染での治療も健康保険証を提示することで医療費の3割負担で診療を受けることができます。さらに、条件を満たせば身体障害者手帳などの医療費を軽減する制度も多くあります。どの程度費用が軽減できるのかは、内容や自治体によって変わりますが、分からないことがあった場合は病院にいるソーシャルワーカーという方々に相談することも可能です。ソーシャルワーカーは、患者の経済的な問題や社会保険制度などの疑問に対してアドバイスをしてくれる方々で、経済的なこと以外にも日常生活や家族に対する不安についての相談も受け付けています。